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結論から言うと、有名大学だから語学留学に向いていると単純に結論付けることはできません。
例えば、東京大学は優秀な教員が揃っています。なぜか？ それは、最難関の入試をくぐり抜けてきた優秀な学生が集まるからです。優秀な学生を指導するためには、優秀な教員が必要ですし、優秀な学生が大学に残り、優秀な研究者、教員となる。優秀であるがゆえに、国からの研究補助なども潤沢に投入され、それが更なる優秀さを生み出すわけです。
では、中国に語学留学する場合にもこの構図は成り立つのでしょうか？ もちろん、中国のエリート校に本科生として留学し、中国人学生と机を並べて専門分野を勉強するというならば話は別です。中国の入試は日本よりもはるかに過酷で、それをくぐり抜けてきたスーパーエリートを教育するために、全国から選りすぐりの教員が集められています。
ですが、語学留学の場合は入学試験がありません。単なる語学留学に対して入学試験を行っている大学は中国に1校もありません。あるのは入学後のクラス分けテストだけで、どんな大学でも授業料さえ払えば誰でも入学できるのが中国の語学留学です。ですから、超エリートの有名大学だからといって、そこで学ぶ語学留学生もまた優秀であるとは言えないわけであり、上述の東京大学のような「学生優秀→教員優秀」という構図は成り立たなくなります。
また、優秀な有名大学の留学生向け中国語教員には、その大学の卒業生が多いことは事実ですが、果たして頭脳明晰であることと、教員として優秀であることが必ずしも一致するでしょうか？ 研究者としては間違いなく優秀でしょう。ですが、頭が良いことと、人にモノを教えるのが上手いこととは必ずしも一致しません。話し方、学生の気持ちのつかみ方、上手な分かりやすい説明のしかたといった教師としてのテクニックとは、研究者としての資質とはまた別のものです。
ですから、有名大学に留学すれば、優秀で教え方が上手な教員のすばらしい授業を受けられて、留学の成果が確実に得られるとは限らないのです。
もう一つ。大学生で留学する方の中には、日本でも名の通った有名大学に留学すれば、就職活動で有利になると思っている方が少なからずいらっしゃいます。これはまったくの勘違いです。よほどの中小企業の人事担当者でもない限り、半年1年の語学留学に入学試験がないことくらい知っています。学費さえ払えば手に入る有名大学留学経験に価値を見出すほど、人事担当者はバカではありません。
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